鑑定評価に必要となる資料 -ご依頼者様にご用意いただく資料-
鑑定評価をお願いするとした場合、どんな資料が必要となるかは、気になるところではないでしょうか。
資料によっては、ご用意いただけなければ、精度の高い評価が出来ない、あるいは、ご依頼をお断りさせていただくような場合もあります。
鑑定評価に際して、ご依頼者様にご用意いただく資料について、解説致します。
1.共通資料
共通資料とさせていただきましたが、物件の種類を問わず、必要となる資料です。物件の種類を問わず、最低限必要となる資料とも云えます。
- 案内図
- 登記簿謄本(土地、建物)
- 公図
- 測量図
- 固定資産税・都市計画税納税通知書あるいは評価証明書
- 重要事項説明書(重説)
上記資料は、必須ではありません。ご用意いただくことが困難な場合には、こちらでお調べして、対応することが可能です。
(1)案内図
案内図は、大まかな場所をお知らせいただけましたら、こちらで地図を用意しますので、その地図をもとに、物件のお示しいただければ対応可能です。
(2)登記簿謄本、公図
登記簿謄本、公図もこちらで取得可能ですので、必須ではありません。ですが、評価の対象となる地番をお知らせいただけた方がスムーズです。
地番がお分かりにならない場合には、こちらで調査することも可能ですが、登記簿謄本を取得するには、費用がかかりますので、評価対象となる地番を調べるのに、多くの謄本を取得することになるようでしたら、別途謄本代をお願いすることになります。
(3)測量図
測量図については、現況測量、確定測量を問わず、過去に測量されているようでしたら、ご提示下さい。
対象不動産が、1筆の一部分であるような場合には、必要性は高くなります。
(4)固定資産税・都市計画税納税通知書、評価証明書
固定資産税・都市計画税の評価証明書については、新たに取得することが可能ですし、こちらが代理人となって取得することも可能です。
(5)重説
重説も必須ではありません。また、売買をしていなければありませんので、もしあるようでしたら、お願いしたい、ということになります。
2.土地(更地)
土地と記載させて頂きまたが、厳密には更地となります。更地とは、不動産鑑定評価基準によれば、「建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地」とされています。
ですので、土地であっても、借地権や底地は更地には、該当しません。
この更地の場合には、必要となる資料は、先に記載させていただきました共通資料で足ります。
3.借地権、底地
- 土地賃貸借契約書
借地権、底地の場合には、土地賃貸借契約書が必須となります。
土地賃貸借契約書がなければ、評価が出来ないことがあります。
出来ないことがあります、と少し半端な言い方になりましたが、土地賃貸借契約書がなくても、評価が出来ることがあります。
それは、契約が口頭だった場合です。口頭ですので、当然、土地賃貸借契約書はありません。この場合には、借地契約の内容について、ヒアリングをさせていただくことになります。
4.土地+建物 賃貸されていない場合
- 竣工図
- 工事請負契約書
- 建物管理契約書(BM契約書)
- 修繕履歴
土地に加えて、建物の資料が必要となります。
(1)竣工図
戸建住宅の場合には、竣工図はありませんが、ビルなどの場合には、通常、竣工図がありますので、ご用意いただきたいです。改修工事を行っている場合には、その工事図面も必要となります。
(2)工事請負契約書
建築工事を自ら発注された場合には、工事請負契約書があるかと思います。お手元にある場合には、お願いしたい資料ですが、必須ではありません。
(3)建物管理契約書(BM契約書)
エレベーターなどの設備点検、清掃などの建物管理を業者に発注している場合には、その契約書をお願いしたいです。
竣工図と同様、戸建住宅の場合には、このような契約はしていませんので、不要です。
(4)修繕履歴
過去の修繕履歴が分かる場合には、お願いしたい資料となります。
5.土地+建物 賃貸されている場合
- 建物賃貸借契約書
- 建物管理契約書(PM・BM契約書)
建物が賃貸されている場合には、前記に追加して、上記の資料が必要となります。
(1)建物賃貸借契約書
建物賃貸借契約書は必須となります。ですが、先程の借地権と同様に、口頭の場合もありますので、その場合には、契約書がなくても大丈夫です。
(2)建物管理契約書(PM・BM契約書)
建物が賃貸されている場合、前記のBM契約に加えて、テナント管理であるPM契約も締結していると思われますので、その契約書が必要となります。自主管理をしているような場合には、不要となります。
6.まとめ
以上、鑑定評価を行うに際して、必要となる資料について、説明させていただきました。
一部、十分網羅出来ていない所もあります。
例えば、マンションの一室の評価の場合には、必須ではありませんが、分譲時のパンフレットをお願いすることがあります。
実際に、鑑定評価をご依頼いただけた際には、必要となる資料につきましては、丁寧に説明致しますので、お気軽にお問合せ下さい。
また、不動産は、同じものはありませんので、案件によっては、上記以外の資料をお願いすることもございます。