令和6年7月25日に発表された月例経済報告(令和6年7月)について、解説します。
令和6年7月の月例経済報告について、解説します。
月例経済報告については、こちらで説明しておりますので、よければご参照下さい。
1.令和6年7月分について
主要な項目を、令和6年6月、令和6年7月について、以下掲載します。
令和6年6月 | 令和6年7月 | |
基調判断 | このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している。 | このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している。 |
個人消費 | 持ち直しに足踏みがみられる。 | 持ち直しに足踏みがみられる。 |
設備投資 | 持ち直しの動きがみられる。 | 持ち直しの動きがみられる。 |
住宅建設 | 弱含んでいる。 | 弱含んでいる。 |
企業収益 | 総じてみれば改善している。 | 総じてみれば改善している。 |
企業の業況判断 | 改善している。ただし、製造業の一部では、一部自動車メーカーの生産・出荷停止による影響がみられる。 | 改善している。 |
雇用情勢 | 改善の動きがみられる。 | 改善の動きがみられる。 |
消費者物価 | 緩やかに上昇している。 | 緩やかに上昇している。 |
企業の業況判断以外は、先月と同内容になっています。
「一部自動車メーカーの生産・出荷停止」とは、国内大手自動車会社5社による認証不整問題です。
令和6年7月にその記載がなくなっていますので、その影響がなくなったものと思料されます。
もともと、改善している、とあり、それは、6月、7月ともに同様ですが、認証不整問題の影響がなくなったので、6月よりは、良くなっているものと推察されます。
2.先行きについて
先行きについては、以下のとおりとなっています。
先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。
先行きについては、先月と異なるところは2つです。
1つは、太字の部分で、先月は「中国経済の先行き懸念」となっていたのが、「不動産市場の停滞の継続」と変更され、不動産市場の影響の大きさが伺えます。
もう一つは、先月までは、能登半島地震の記載がありましたが、それが無くなりました。
地震発生から、ほぼ半年になりますので、その影響も薄れてきたということでしょうか。
3.まとめ
先月と比較しますと、同傾向を維持しているものと判断していますが、能登半島地震の影響も懸念されます。
懸念材料がある一方、日経平均は、2月15日に、34年ぶりの高値となりました。
日経平均は、4万円台になるとの予想もあり、明るい材料もあります。
令和6年2月分が発表されましたら、また、解説致します。