令和6年地価調査について、特徴的な動向等も踏まえて、解説します。

令和6年地価調査について、特徴的な動向等も踏まえて、解説します。

令和6年9月18日に、令和6年地価調査が発表されました。

地価調査は、7/1時点の価格となります。

今年も、昨年と同様、全国的に地価は上昇傾向で推移しており、さらに、その上昇幅は拡大傾向にあります。

今回の地価調査も、令和6年地価公示令和5年地価調査と同様に、半導体とインバウンドによる影響が顕著です。

前年との比較、地域毎の特徴等にも触れながら、以下、令和6年地価調査について、解説していきます。

1.全般的な傾向

初めに、全体的な傾向を説明します。
下表を見て下さい。

昨年に引き続き、住宅地の地方圏その他を除き、いずれも上昇となっています。
地方圏その他の住宅地は、マイナスですが、マイナス幅は縮小しています。

地方圏は、三大都市圏を除く圏域で、地方四市は、札幌、仙台、広島、福岡になります。
その他は、地方四市を除いた地方圏になります。

(1)全用途平均

全用途平均では、地方四市を除き、いずれも上昇率が拡大しています。

地方四市は、上昇傾向に変化はありませんが、上昇幅は縮小しています。

(2)住宅地

先に述べさせていただいたとおり、地方圏のその他が、マイナス幅は縮小していますが、マイナスとなっています。
ですが、△0.1%のマイナスですので、ほぼ横ばいと考えてもいいかもしれません。

全用途平均と同様ですが、地方四市の上昇幅は縮小しています。

地方圏の変動率は、昨年と同率になっています。

(3)商業地

全用途平均と同様で、地方四市以外は、上昇幅を拡大させています。

上昇幅を住宅地と比較すると、商業地の方が、大きくなっています。

このことから、全国的に、インバウンドによる商業需要復活の影響は非常に大きいことが伺えます。

2.変動率上位

次に、変動率上位10位を紹介します。

(1)住宅地

まず、住宅地です。

10地点中、7地点が沖縄県で、しかも、7地点のうち、6地点が宮古島です。

これは、インバウンドの影響は、相変わらずだと思われますが、移住目的での取引も多いようです。

他は、北海道の千歳市が2地点、富良野市が1地点です。

千歳市は、ラピダスの影響でしょう。今年も、半導体の影響は健在です。

富良野市は、インバウンドによる影響です。

10地点全てが、沖縄県と北海道という結果です。

(2)商業地

商業地になります。

熊本県が、10地点中、5地点を占めます。しかも5地点とも、菊池郡です。

住宅地と同様に、北海道の千歳市も2地点あります。

これらは、半導体による影響です。

残り3地点は、長野県の白馬村、岐阜県の高山市、東京都の台東区です。

この3地点は、インバウンドによる影響になります。

3.変動率下位

変動率下位は、住宅地と商業地をまとめて説明します。

住宅地と商業地合わせて、20地点中19地点が、石川県です。

今回の地価調査は、7/1時点の価格であり、変動率は、前年の7/1と今回の7/1との比較になりますので、今年の正月の能登半島地震の影響を受けていることになります。

その為、石川県の下落地点が大くなっています。

1地点だけ、同じ北陸ですが、富山県高岡市の地点があります。

高岡5-4という地点ですが、能登半島の付け根に位置しておりますので、ここも能登半島地震の影響だと思われます。

そうしますと、20地点中の全地点が、能登半島地震の影響によるマイナス、ということになります。

その後、9月にも大雨がありますので、今後の動向が懸念されます。

4.まとめ

インバウンドによる地価上昇という明るい材料がある一方で、能登半島地震による影響もあります。

能登半島については、一日も早い復興を祈念しております。

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