令和6年10月29日に発表された月例経済報告(令和6年10月)について、解説します。
令和6年10月の月例経済報告について、解説します。
月例経済報告については、こちらで説明しておりますので、よければご参照下さい。
1.令和6年9月分について
主要な項目を、令和6年9月、令和6年10月について、以下掲載します。
令和6年9月 | 令和6年10月 | |
基調判断 | 一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している。 | 一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している。 |
個人消費 | 一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる。 | 一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる。 |
設備投資 | 持ち直しの動きがみられる。 | 持ち直しの動きがみられる。 |
住宅建設 | おおむね横ばいとなっている。 | おおむね横ばいとなっている。 |
企業収益 | 総じてみれば改善している。 | 総じてみれば改善している。 |
企業の業況判断 | 改善している。 | 改善している。 |
雇用情勢 | 改善の動きがみられる。 | 改善の動きがみられる。 |
消費者物価 | 緩やかに上昇している。 | 緩やかに上昇している。 |
今月も、先月と、全てにおいて同内容となっています。
3か月連続で、同傾向ということになります。
従いまして、横ばい傾向での推移となりますが、先々月は回復基調が顕著でしたので、回復基調が継続している、ということになります。
なお、上記で取り上げていない他の項目では、違いがありましたので、参考に以下検討していきます。
令和6年9月 | 令和6年10月 | |
生産 | 持ち直しの動きがみられる | このところ横ばいとなっている |
以下、詳しく見ていきます。
(1)生産
令和6年9月 | 令和6年10月 |
鉱工業生産は、持ち直しの動きがみられる。 鉱工業生産指数は、7月は前月比3.1%増となった。 鉱工業在庫指数は、7月は前月比0.4%増となった。 また、製造工業生産予測調査によると8月は同2.2%増、9月は同3.3%減となることが見込まれている。 業種別にみると、輸送機械は一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響もあって、このところ横ばいとなっている。 生産用機械は持ち直しの動きがみられる。 電子部品・デバイスは持ち直している。 生産の先行きについては、持ち直していくことが期待される。 ただし、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響や海外景気の下振れ等による影響に注意する必要がある。 また、第3次産業活動は、持ち直している。 | 鉱工業生産は、このところ横ばいとなっている。 鉱工業生産指数は、8月は前月比3.3%減となった。 鉱工業在庫指数は、8月は前月比0.8%減となった。 また、製造工業生産予測調査によると9月は同2.0%増、10月は同6.1%増となることが見込まれている。 業種別にみると、輸送機械は横ばいとなっている。 生産用機械はこのところ横ばいとなっている。 電子部品・デバイスは持ち直している。 生産の先行きについては、持ち直していくことが期待される。 ただし、海外景気の下振れ等による影響に注意する必要がある。 また、第3次産業活動は、持ち直している。 |
鉱工業生産指数、鉱工業在庫指数は、9月は前月比プラスだったのに対し、10月はマイナスになっています。
製造工業生産予測調査は、9月の予測は、10月の月例経済報告において、マイナスからプラスへと転換しています。
10月予測もプラスです。
以上から、マイナスとプラスが混在することから、”このところ横ばい”という記述になっているものと推測します。
2.先行きについて
先行きについては、以下のとおりです。
令和6年9月 | 令和6年10月 |
先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。 ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。 また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。 | 先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。 ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。 また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。 |
9月と10月とで、相違はありません。
3.まとめ
先月に引き続き、回復基調が継続している、とうことになります。
本ブログを作成している時点(11月3日)において、衆議院選挙は終了し、与党の議席数は過半数割れとなり、今後の政局には、注意が必要です。
また、まもなく、アメリカ大統領選挙です。
依然、不安定な状況にはありますが、令和6年11月分が発表されましたら、また、解説致します。