令和6年地価公示について、特徴的な動向等も踏まえて、解説します。
令和6年3月27日に、令和6年地価公示が発表されました。
今年も、昨年と同様、全国的に地価は上昇傾向で推移しており、さらに、その上昇幅は拡大傾向にあります。
令和6年地価公示も、令和5年地価調査と同様に、半導体とインバウンドによる影響が顕著です。
前年との比較、地域毎の特徴等にも触れながら、以下、令和6年地価公示について、解説していきます。
1.全般的な傾向
初めに、全体的な傾向を説明します。下表を見て下さい。
昨年に引き続き、いずれも上昇となっています。
少し詳しく見ていくと、青で囲った全用途平均の地方四市、住宅地の地方圏、地方四市を除くと、他は全て、上昇幅を拡大させています。
地方四市は、札幌、仙台、広島、福岡です。
地方四市の上昇幅が縮小しているのが、気になるので、少し詳しく見ていきたいと思います。
以下は、地方四市の令和5年と令和6年の変動率になります。
札幌市以外の3市は、全てにおいて、前年よりも上昇率が大きくなっているのに対し、札幌市は、住宅の上昇率が大幅に縮小しており、その結果、全用途の上昇率も、昨年よりも縮小していることが分かります。
2.変動率上位
以下は、変動率上位10位です。
ざっと見ていただければ分かるかと思いますが、千歳市と菊池郡は、半導体による影響です。
大手半導体メーカーの工場が進出する地域では、関連企業も含めた従業員向けの住宅用地等の需要のほか、関連企業の事務所用地等の需要も旺盛となっているようです。
また、宮古島、白馬村などは、インバウンドによる影響になります。
3.変動率下位
一方で、変動率下位は、以下のとおりです。
地価調査と同様、珠洲市が多くなっていますが、10件中4件が石川県です。
石川県の志賀と羽咋は、能登半島になります。
地方都市は、人口減少が進展していますから、地価の下落は避けられないのでしょうか。
4.まとめ
傾向としましては、令和5年地価調査とほぼ同様となっています。
なお、一つ注意していただきたいのですが、地価公示は、1月1日時点の価格になりますが、今年1月1日に発生した能登半島地震による影響は、考慮されていない、ということになります。